忙しさが増すシーズン、そんなときこそ心が弱ったり気分が落ちこみやすくなるものです。いつも自分の感情にフタをして平気なフリをしていませんか? 心が疲労困憊になる前に、今一度自分の気持ちをよく見つめ直し、必要であればカウンセリングを受けるなどのサポートを求めましょう。
今回はそんな心が疲れきっている危険サインについてまとめてみました。「自分は大丈夫」と真面目に頑張ってしまう人ほど、じつは心がボロボロに傷ついていてもムリを重ねようとしてしまいます。そうなる前に、自分の状態にちゃんと気づくことが肝心です。
“~せずにはいられない”という強迫行動を繰り返している
誰から課せられたわけでもないのに、“~せずにはいられない”という強い衝動に突き動かされている――というのは心が悲鳴をあげているサインかもしれません。たとえば……
・ メールやケータイを数分おきにチェックする
・ 外出するとき、鍵を閉めたか何度も確認してしまう
・ なにかするにも、自分流のやり方でやらないと気がすまない
・ エクササイズやダイエットで極端なルールを決めている
というのがよくある例。こうした強迫行動は自分にとっては理にかなっている行動と思えますが、あまりにも執拗だったり、柔軟性がないと日常生活を送るうえでも支障が出てきます。これらは不安神経症や摂食障害といった診断可能な症状であることもあるので、はやめに専門家に相談してみるとよいでしょう。
なにもかもすべてのことから逃げ出したくなる
なにもかも嫌になって投げ出したくなってしまう、ということは誰にでもありえます。でもそんな逃避願望がかなり深刻で、かといってなにかやりたいことや目指したいことも見つからないというのは、心にストレスが積み重なって押しつぶされそうになっているのかもしれません。
逃げ出す、あるいはやめてしまうということは短期的な対処法ではありますが、それによって根本的なことは解決されません。現実逃避だけにならないよう、十分気をつけるべきです。
原因不明な体調不良が続いている
精神的なストレスは身体にも少なからず影響をおよぼします。原因ははっきりしないけど、なんだか体調がよくないということが続いていませんか? 病院に行ってもはっきりとした原因がわからなかったというのは、ストレスによる不調であり心理療法的なアプローチが有効な場合があります。
このような不調は以下のように多岐にわたります。心だけでなく、身体が発しているSOSサインとも言えます。そのまま放置しないで、改善策を見つけましょう。
・ 頭痛、疲労感、頻脈、めまい、息切れ
・ 下痢、便秘、吐き気、睡眠障害
つねに悲しさを感じていて、引きこもりがちになっている
誰でも悲しみを感じることはありますが、漠然とした悲しみが2週間以上にもわたり、社会生活や人間関係がおっくうに感じるようなら、ウツ状態の一歩手前にあると考えられます。こうした状態を放っておくと、気分の落ち込みはますます長引き、回復も難しくなってきます。自分だけではどうしようもないと感じたら、早めにカウンセリングや診療を受けるようにしましょう。
2年以上、過去の経験を引きずっている
どんなにつらいことでも時間が解決してくれる、なんてよく言いますが、とてもそんなふうになれない。時間は経つのに、心の傷やショックは依然として強く残っている、というのも心が疲労困憊に達しているサインです。寝ていてもうなされたり、フラッシュバックが蘇ったりする、あるいは起きている間も引きこもりになりがちで、食欲がなく、感情をうまくコントロールできないということがないでしょうか。
もし2年以上も過去の経験を引きずっているとしたら、専門のカウンセリングを受けてみるべき。自分を苦しめているものはなにか、その正体を突きとめ、決別する時期にきていると言えるでしょう。