こんにちは! フードコーディネーター、調味料ジュニアマイスターの國塩亜矢子です。
【前半】では醤油作りの基本知識と、スタンダードな醤油2種類についてご紹介しました。
でも日本にはまだまだほかにも多くの醤油が存在します。では奥深い醤油ワールド・後編へいざ参りましょう!
代表的な醤油の種類
3. 再仕込醤油
濃口醤油の約2倍の材料と仕込み期間をかけて作るコクのある醤油のこと。
濃厚な旨みが強く感じられます。別称「二段仕込み」「甘露醤油」とも。旨みは濃口醤油の約1.2~1.5倍!塩分控えめに仕上がるので、まろやかな旨みを感じたい料理におススメです。また強いコクを活かしてソース代わりに揚げ物にかけてみたり、シチューやカレーなどの隠し味に使うのもおススメ。
4. 溜(たまり)醤油
材料に小麦を使わない醤油。大豆100%なので旨みが強く感じられます。
濃口醤油に比べると、その旨みは約2倍! 愛知県を中心とした東海地方に多い醤油ですが、最近は海外での需要も増えているんだとか。しっかりとした味わいなので照り焼きや和菓子などに使われます。手作りのウスターソースやパスタソースなどの隠し味にもおススメです。
5. 白醤油
主原料は小麦。大豆は約5%。小麦が主体のため、甘みが強く感じられる醤油です。
また名前からも想像できるように色味が非常に薄く、食材に色移りしません。そのため炊き込みごはんや出汁巻き卵など甘みを出したい和食に重宝されます。「白だし」とは別物なので要注意! 白だしは白醤油に出汁と甘味(みりんなど)を加えたものになります。
6. その他の醤油
「刺身醤油」「生醤油」「だし醤油」など、醤油の種類はほかにもいろいろ!
たとえば九州。この地域の多くは砂糖文化。なので九州各地では、ほんのり甘い甘口醤油が愛されています。熊本名物、馬刺しに合わせる醤油も甘口。筆者は熊本に大好きなお宿があるのでよく訪れるのですが、この甘口醤油、初めて味わったときは衝撃でした。しかし、馬刺しや甘みの強い魚介のお造りなどによく合うので旅先で必ずといっていいほど買って帰ります。
小さな島国、日本ですが地域ごとに異なる食文化があり、愛される醤油の種類もいろいろ。
大人の社会科見学ということで、週末や夏休みに各地の醤油蔵を訪ねる旅をする……なんていうのも素敵ですね。
大豆や小麦アレルギーの人向けに、そら豆などで作ったアレルギー対策の醤油も最近は増えています。正確には、大豆を使っていない醤油は「醤油」と表記できないので「醤油風調味料」と表記されています。アレルギーが気になる方は探してみてくださいね。
醤油を知れば料理がもっと楽しく、そして美味しく。
そしてきっとその他の調味料のことも、どんどん気になってくると思いますよ!
このコラムが何かの小さなきっかけになれば幸いです。