夏のレジャーで散財してしまって、今はすっかり節約モード……という方、いらっしゃるのではないでしょうか?とはいえ、食欲の秋もしっかり満喫したいところ。実は、懐事情に合わせて楽しむことができるのもワインの大きな魅力なんです。ワインほどに価格帯に差がある飲み物は他にないかもしれません。でも、ここで意識したいのは、安いワインは味わいが劣るというワケでは決してないということ。お手頃ワインだって、シーンに応じた楽しみ方がありますし、ちょっと工夫することでリッチな味わいに変化させることもできるんです。今回は1500円のワインの魅力を数倍アップさせてしまうテクニックをご紹介します。
グラスにこだわる
同じボトルに入っているワインでも、何で飲むかによって味わいが全く違ってきます。実際、専用グラスと紙コップそれぞれにワインを注ぎ、その違いを比べてみましょう。明らかにグラスのほうが、香りや味わいをよりしっかり感じられることが分かるハズです。繊細且つ質のいいワイン専用グラスで味わえば、確実に味覚は研ぎ澄まされます。なので、美味しくワインを楽しみたいなら、クオリティにこだわった専門メーカーのワイングラスを数脚そろえておくことをオススメします。また、ワインはブドウ品種によって香りや味わいに特徴があり、ワイングラスはその魅力を最大限に引き出すように計算して作られています。シャンパーニュグラスやブルゴーニュグラス、そしてボルドーグラスなど、様々な形のグラスが存在するのはそのためなんです。せっかくなので、味わうワインに適した形のグラスが見つけられたらいいですね。それだけでワインを数倍美味しく楽しめること必至です。
温度にこだわる
ワインにはベストな温度帯があり、どの温度で飲むのかによってもその風味は全く異なってきます。レストランでワインをいただくとき、どれくらいの温度が良いのかをソムリエさんが判断して、ワインをベストな状態で提供してくれますよね。私たちがソムリエさんのように細かく温度管理することは難しいかもしれませんが、ちょっと意識するだけで、ワインをより一層美味しく楽しめるようになるはずです。『白ワインは冷やして、赤ワインは常温で』と言われることがよくありますよね。これは、冷やしたほうが白ワインの魅力であるフレッシュな酸味やミネラル感が際立つからなんです(6~8度)。ただ、白ワインでもボリューム感のあるタイプだったら、そのふくよかさを楽しむためにあまり冷やしすぎないほうが良いでしょう(8~12度)。一方、赤ワインはなぜやや高めの温度が良いのかと言うと、冷やすことで赤ワイン特有の「渋み」がより強調されてしまうから。渋み成分である「タンニン」がたっぷり含まれているボルドータイプのワインだったら18度位が適温です。一方、渋みが穏やかで豊かな酸を持つブルゴーニュの赤ワインだったら、15度ぐらいに冷やしたほうがバランスよくいただけます。
好きな仲間と楽しく飲む
そして最後に……ワインの味わいを決定づける大切な要素が「誰と飲むか」ということ。特にリーズナブルなワインをめいっぱい楽しみたいのだったら、緊張する席ではなく、気の置けない仲間とリラックスして楽しく飲むのが一番です。ビジネスでの会食や初デートでワインを飲んだとき、気を使ってしっかり味わえなかった……というハナシを良く聞きます。ワインを美味しく感じるかどうかは、ワインそのものの風味はもちろん、まわりの環境にも大きく左右されるんです。先にお伝えしたグラスや温度帯に加え、テーブルコーディネートにも少し気を使って気分を盛り上げ、楽しくなるような環境をつくること。そして何より好きな人達と楽しく味わうことで、ワインは格段に美味しく感じられるでしょう。
いかがでしたが?ちょっとした工夫やこだわりで、ワインの愉しみは際限なく広がります。せっかくワインを味わうなら、その魅力をたっぷり楽しめるよう心がけつつ、食欲の秋を満喫しましょう。