みなさん、鹿肉料理は食べたことがありますか? 筆者はミートソースになったものなら食べたことがあったのですが、しっかりとしたお肉の塊は鹿肉専門店で先日はじめて食べました。
味わいは?
普段食べなれないお肉なので、クセが気になるかなとちょっと心配でしたが、いざ出てきたお料理はくさみがない! もちろん、牛や豚・鶏にくらべると多少のクセはありますが、まったく気にならず、むしろ淡泊な赤身であっさりとして食べやすかったです。赤ワインにもよくあいました。
鹿肉料理のおいしいシーズン
日本ではあまりなじみがありませんが、じつは昔から食べられていました。また、フランスを中心としたヨーロッパでは高級食材としてあつかわれています。お店のシェフにうかがったところ、今はまだ暑いさかりですので鹿肉が比較的淡泊で、これから秋にむけて旨味がのってどんどんおいしくなるそうです。
鹿肉のおどろくべき栄養
そこで、鹿肉の気になる栄養素について調べてみました。すると、とても優秀な食材であることが判明したのです!
1: 高タンパク、低カロリー、脂質やコレステロールが少ない
鹿肉100gあたりのタンパク質は約22g(牛肩ロースは16.5g)と高タンパク。その一方で、カロリーは100gあたり約110kcal(牛肩ロースは316kcal)と超低カロリー! かつてボクサーの減量に使われたこともあるくらい、ダイエットむきのお肉です。また、脂質やコレステロールも少なく、非常にヘルシーです。
2: 女性にうれしい栄養素
現代の女性に多い「貧血」。毎月月経のある女性の鉄分接種推奨量は一日あたり10.5g~14.0gなのですが、現実には平均7mgしかとれていないらしく、大幅に不足しています。鹿肉には、この女性にとって重要な「鉄」が、100gあたり3.1mg含まれており、これは牛肉の2.2mgを大幅にうわまわっています。また、脂質代謝を中心に、タンパク質・糖質を分解してエネルギーにするうえで重要な役割をはたすビタミンB2も0.35mg含まれています。
3: いま大注目のいい油
ココナッツオイル・アボカドオイル・えごま油など、空前のオイルブームで「体にいい油」が注目されています。鹿肉にも、いい油がたくさん含まれています。
【リノール酸: 8.9g】
必須脂肪酸のひとつで、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やします。
【アルファリノレン酸: 4.6g】
生活習慣病を予防すると同時に、免疫機能を高めます。
【DHA: 0.5g】
青魚に含まれる成分で、肉類に含まれることはまれです。中性脂肪を減少させる効果があります。神経の機能促進作用がある、ぞくにいう「頭をよくする」成分です。
以上、代表的な栄養素をご紹介しました。鹿肉が美容にも健康にもいい食材であることがおわかりいただけたかと思います。ヘルシーでダイエットむきなうえ、女性にうれしい栄養素がたくさん含まれているとなれば、食べない手はありません。
家庭用にも流通しており入手は可能ですが、きちんとした下処理でくさみを消したり、衛生面・食感の面から加熱方法や加熱の度合いも慎重な加減が必要だったりと、家庭での調理は少し難しいかもしれません。まずは、専門店でおいしいプロの味を試してみることをおすすめします。